バーを握る時、手首は立てる?寝かせる?
答えは「軽く寝かせる」です。
では、なぜ軽く寝かせるのでしょう。
それは、肩を守るためです。
手首を軽く寝かせた状態をキープし、バーを降ろしていきます。すると、バーが降りる位置が肩関節の真上から、溝落ち付近に下がります。
また、バーを降ろした時にヒジがひらきにくくなります。
手首を立てると、肩関節の真上で挙上動作をする事になります。バーを降ろした時にヒジがひらき、可動域を超えて、三角筋前部が真横に強く引き伸ばされます。
その状態からバーを挙上しようとすると、引き伸ばされた状態の三角筋前部をつよく収縮する事になります。
三角筋前部は、大胸筋に比べとても小さい筋肉です。手首と並んでベンチプレスで非常に故障しやすい箇所なので注意が必要です。
さらに、上腕三頭筋の内側を動員出来るメリットがあります。
三頭筋内側が、引き伸ばされるのでプラスαの筋伸展反射が得られます。
バーを降ろす時、胸でバーを迎えに行く様に意識します。
そうする事で、胸椎が立ち、三頭筋内側がより伸展しやすくなります。
手首を寝かせるデメリット
単純に手首の関節への負担が増えます。
手首を立てるのに比べて、挙上動作が垂直上下運動から斜め方向の運動に変わる為、関節の動きがより複雑になります。
ましてや、重量で関節部が圧迫された状態で複雑な反復運動を行なうため、想像以上に関節はストレスに晒されます。
体重を超える様な重量をあつかう場合は「リスト・ラップ」のご使用をオススメします。
似た名前で「リスト・ストラップ」というギアがあります。こちらは、手首に掛けて使用します。
懸垂やデットリフトをする場合、握力が足りない時に使われます。
リスト・ラップ
大手のECサイトで検索すれば、千円未満から多くの商品がヒットします。
試しに安価なモノを使ってみるのも良いでしょう。
しかし、機能的に物足りないと感じた時や、試合に出場する場合は、協会公認のギアに買い換える必要があります。
協会公認のメーカーには「インザー・鬼・ タイタン・A7・SBD」などがあります。
規格はどのメーカーも大体同じです。
長さは30・60・90cm超の3種類。硬さもスタンダードとハードの2種類から選ぶことができます。
私は、インザー、タイタン、鬼のリストラップを使っています。
先に紹介した中で、鬼は唯一の国産メーカーです。
内側に滑り止めのゴムが設置されているなど、痒いところに手が届く作りになっています。最長のハードタイプで6千円弱、スタンダードタイプは4千円台から手に入ります。
また、インザーやタイタンの昔ながらのデザインや質感も、捨てがいものがあります。
最後に、耐久性についてですが、協会公認のギアは、洗濯ネットを使うと、使用頻度にもよりますが、数年単位で使用できます。
筋収縮に関わるアデノシン3リン酸(ATP)という物質
ATPはアデノシンと、3つのリン酸から構成される化合物です。
分解酵素により、ATPから1つのリン酸が分離すると、アデノシン2リン酸(ADP)になります。
この時に生じるエネルギーを利用して、筋収縮が行われます。
しかし、細胞内に貯蔵されるATPの量はごく僅かです。
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